「デジタル人民元」構想は中国人民銀行が14年に提唱し、世界の主要中央銀行のなかでも早い時期に研究活動が開始された。19年6月の米フェイスブック社による仮想通貨Libra(リブラ)構想の発表をきっかけに、中国当局において人民元の国際化などを阻害するものとの警戒感が強まり、デジタル人民元の研究開発の動きが加速した。20年4~5月には4都市で実証実験が始まり、デジタル人民元は世界の主要中央銀行に先駆けて、発行・流通する動きが高まっている。「一帯一路」構想における人民元経済圏の構築も視野にあろうが、課題は山積している。習近平政権は、建国100周年の49年に向けて、経済規模の世界トップに加え、世界トップクラスの製造強国、技術立国、デジタルの経済強国を目指し、その過程で、デジタル人民元の早期普及、ブロックチェーンを活用した人民元建て貿易金融の拡大および技術ノウハウの向上など、により人民元の国際化を着実に進めていく方針であろう。今後の動向に注目したい。
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