11月の主要経済指標をみると、景況感は9か月連続で好不況の節目である「50」を上回り、景気は順調に回復している。生産に比べ回復が遅れていた消費も持ち直し、新型コロナの感染が拡大する直前の12月の水準を上回った。国家統計局の記者会見では「11月も国内経済の回復が進み、第4四半期の成長率は一段と加速する」との明るい見通しが示された。一方で、景気回復は財政によるインフラ投資や企業への金融支援など政策の後押しの効果が大きく、過去には投資や在庫、債務の過剰感を招いたこともあるため注意が必要である。こうした状況のなか、金融政策に関して中国人民銀行は「景気回復の状況に基づき慎重に見極める必要があり政策の調整は急ぐべきではない」と出口戦略を意識した発言もみられ始めている。