20-04-22
米国:トピックス(ワシントン事務所作成)
米国におけるインサイダー取引規制の動向

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が進行していたことを受け、ホワイトハウスによる全上院議員向けの非公開ブリーフィングが20年1月に行われた。これを端緒に、各委員会レベルでの非公開のブリーフィングも行われた。そのような中、ブリーフィングに参加した複数の上院議員 が、米国での感染拡大が広く認識される前に未公開情報を利用して自身の保有株を売却し利益を得たとして、インサイダー取引を行った疑いが浮上している 。
疑いがかけられている議員の一人であるリチャード・バー氏は、上院情報特別委員会の委員長であり、コロナウイルスに関するブリーフィングを各情報機関から毎日受ける立場にあった。同氏は、2月13日、今般の経済停滞で株価が半分以下になった大手ホテルチェーンの株式を含む33銘柄を最大172万ドルで売却したとされている。
また、同じく疑いがかけられているケリー・ロフラー氏は、夫がインターコンチネンタル取引所のCEOであり、約5億ドルの純資産を有する裕福な議員の一人である。同氏は、1月24日から2月14日にかけて保有株を最大310万ドルで売却しただけでなく、シトリックスといったリモートワークソフトウェア開発会社の株式を購入していた 。バー氏およびロフラー氏の行いについては上院倫理委員会で調査が行われてほか、司法省と証券取引委員会が捜査を開始しており、辞任を求める強い批判も挙がっている。
今回の事件を受けて、一般人よりも未公開の重要情報を入手しやすい議員が証券取引を行うことの是非について関心が高まっている。米国におけるインサイダー取引規制は、これまで何度か改正法案が提出されてきたものの、ほぼ廃案となっていることから、当該規制を見直すハードルは高い。しかし、19年12月、34年証券取引所法を改正する「インサイダー取引禁止法案」が、下院において超党派の賛成多数(410:13)で可決された。本法案の上院での審議日程は決まっていないが、今般の上院議員によるインサイダー取引の疑いと併せて、インサイダー取引を見直す機運が高まっていく可能性がある。
本稿では、米国におけるインサイダー取引規制を構成する各法律および規則ならびにインサイダー取引禁止法案の概要について解説し、今般発生した米上院議員によるインサイダー取引の疑いに係る動向について紹介する。

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