中国では20年10月以降、深セン市を皮切りにCBDC（中央銀行デジタル通貨）の大規模かつ様々な利用状況に応じた実証実験が全国の主要な指定都市で相次ぎ実施されるなど、CBDC発行に向けた準備が佳境に入ったと受け止められる。その間、「CBDCの発行に法的根拠を与え、CBDC以外のいかなるデジタル通貨の発行も禁ずる」との条文を盛り込んだ中国人民銀行法の改正案が公表された。また、21年2月には中国人民銀行デジタル通貨研究所が香港・タイ・アラブ首長国連邦とm-CBDCブリッジプロジェクトを立ち上げ、クロスボーダー決済も同時に模索する動きがみられる。今後の動向が一層注目される。