中国人民銀行は21年4月23日、同行が20年第4四半期に4,399の金融機関に対し実施した格付けの結果を発表した。それによると、経営状況が良好で格付けが1～5級の銀行は計2,089行で前年比17行減少した。このうち、1～4級の銀行は計891行と、19年に比べ150行減少（構成比計20.3％＜前年比－3.4％ポイント＞しており、経営状況が良好な銀行にも新型コロナによる景気後退の影響が広く及んだ模様である。一方、8～10級となるリスクが高い金融機関は計441行・社で前年比102行・社減少し、大部分の金融機関は経営が安定している1～7級になっている。都市商業銀行のうち12％（16行）、農村商業銀行・農村合作銀行・農村信用合作社のうち13％（285行）、村鎮銀行のうち8％（127行）は高いリスクを抱えていることも明らかとなった。
中国人民銀行は、中国の金融システムリスクについて、「リスクが高い金融機関は顕著に減少し、金融機関の経営は全体として安定している」と評価した。