4月の主要経済指標をみると、景況感は14か月連続で好不況の節目である「50」を上回り、景気は堅調に推移している。小売売上高、固定資産投資、鉱工業生産の伸び率は前年4月に新型コロナからの回復が見られたことの反動から3月に比べて鈍化しているものの、消費は緩やかに回復しており、設備投資もインフラ部門・ハイテク産業を中心に高まっている。国家統計局は4月の経済概況について、経済活動は引き続き安定した回復傾向にあり、雇用や物価はおおむね安定していると述べた。
　金融指標についてみると、新規人民元建て貸出の減少、M2伸び率の鈍化が目立った。こうしたなか、李克強首相は「新型コロナの影響を受けている企業への金融支援を強化するほか、中小企業向け融資の伸び率を高めていく」との方針を示している。一方、政府は不動産市場への過度な資金流入に対し警戒を強めている。