22年5月9日に大統領選挙が実施され、フェルディナンド・マルコス氏（元上院議員）が約3,108万票（得票率58.7％）を獲得し当選確実となった。マルコス氏は1965～86年に独裁政治を行ったマルコス元大統領の長男だが、選挙活動ではSNSを駆使したイメージ戦略で父の独裁時代を経験していない若者の支持を取り付けた。マルコス一族は10年以降政界に復帰しており、今回の選挙で36年ぶりに政権を握ることとなる。
　マルコス氏は6月30日に第17代大統領に就任し、6年間の任期を務める。ただマルコス氏は選挙管理委員会の主催する討論会を軒並み欠席しており政策内容は不透明である。新型コロナからの本格的な回復を目指すための経済政策のほか、南シナ海問題を抱える中国やドゥテルテ大統領が距離を置いてきた米国に対する外交姿勢は今後明らかになる。