トルコ中銀は22年8月18日に主要政策金利である1週間物レポ金利を14%から1%ポイント引き下げ13%とする決定をした。声明文では、第3四半期の見通しについて「経済活動の勢いが若干弱まっている」と指摘、「工業生産の成長の勢いと雇用の前向きなトレンドを維持するためには緩和的な金融環境が重要」だとして、利下げを決定したと説明した。中銀の声明文からはインフレ抑制より経済成長を優先する姿勢が見て取れる。予想外の利下げ発表を受け通貨リラは対ドルで年初来最安値となる1ドル=18.14リラ台まで下落した。「金利を下げればインフレが収束する」との持論を展開するエルドアン大統領による圧力に屈し、中銀は利下げに踏み切った形である。しかし通貨下落を受け輸入物価の一層の上昇は避けられず、インフレ圧力はさらに強まると予想される。23年6月には大統領と国民議会議員選挙が控えている。はたしてエルドアン大統領の「経済実験」は成功するのか、今後の動向を注視したい。
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