23-03-13
中国:トピックス
資本市場の対外開放と「人民元の国際化」

 中国人民銀行によると、22年の中国本土と海外とのクロスボーダー決済のうち人民元建て決済は42.1兆元(約800兆円)、前年比+15.0%と増加した。
 クロスボーダー決済は貿易を中心とする経常取引と直接投資や証券投資などの資本取引に分類される。人民元建ての取引をみると、18年以降資本取引が急増しており22年には資本取引が8割を占めるようになった。中国政府がこれまで「適格機関投資家制度」、「株式通」、「債券通」といったクロスボーダーの投資の枠組を段階的に整備し資本市場の対外開放を進めてきたことは、人民元建てクロスボーダー決済の増加に直結している。
 人民元建て決済インフラの整備も進んでいる。15年に運用が開始された「人民元クロスボーダー決済システム(CIPS)」は22年末時点で世界109か国・地域をカバーするネットワークに発展しており、今後の利用増加が期待される。
 米ドルやユーロと比較すると人民元の取引額ははるかに小さく、たとえばSWIFT利用額は米ドルの20分の1程度にすぎない。しかし、人民元建てクロスボーダー決済は着実に増加しており、21年12月単月のSWIFT利用額では初めて日本円を上回り米ドル・ユーロ・英ポンドに続く4位となった。中国・社会科学院傘下の国家金融・発展実験室(NIFD)は「35年までに英ポンド、日本円を上回って世界第3位のグローバル通貨になる」との見通しを示している。

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