米国はバイデン政権下で21年2月にパリ協定へ復帰し、35年までに電力部門のCO2排出量ネットゼロ達成を目指している。そのためには(1)火力（石炭・天然ガス発電）から再生可能エネルギー（風力・太陽光発電）への移行が必要である。しかし、(2)風力・太陽光発電は電力の大消費地から離れた場所に建設されることが多く、新しい送電線の建設許可に時間を要する（最長10年とも言われる）。他方で、(3)AI開発やEVの推進に伴う電力需要の増加は避けられない。これらの問題が解決されなければ、米国は深刻な電力不足やパリ協定の目標未達という問題に直面することとなる。