JCIFpedia(マネロン・テロ資金供与対策関係)

マネーローンダリング・テロ資金供与対策用語集
あ行

あいまい検索

アルシュサミット経済宣言

安保理決議

STR(疑わしい取引の届出)

役務取引

か行

IN(解釈ノート)

外国為替検査ガイドライン

外国為替検査マニュアル

外為法

外為法に基づく制裁対象者リスト

EDD(厳格な顧客管理)

公告国際テロリスト

KYC(顧客確認)

CDD(顧客管理)

国際テロリスト財産凍結法

国際テロリスト財産凍結法上の規制対象財産

コルレス契約締結時の確認

さ行

資金移動業者

資金使途規制

資産凍結等経済制裁

相互審査

組織的犯罪処罰法

た行

仲介貿易取引

通知義務

適法性確認義務

特定国(地域)に関する支払規制

特定事業者

特定船舶の入港禁止措置

取引時確認

な行
は行

ハイリスク取引

犯罪収益移転危険度調査書

犯罪収益移転防止法(犯収法)

犯罪収益移転防止に関する年次報告書

法人の実質的支配者

本人確認書類

貿易に関する支払規制

ま行

マネー・ローンダリング

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン

麻薬新条約

麻薬特例法

三つの防衛線

や行
ら行

リスクベース・アプローチ

ロシア連邦の特定銀行等による証券発行等の禁止措置

わ行
アルファベット

AML/CFT

CDD(顧客管理)

DNFBPs

EDD(厳格な顧客管理)

FATF

FATF勧告

FinCEN

FIU

IN(解釈ノート)

IO

JAFIC

KYC(顧客確認)

MOFAリスト/ MOFリスト

OFAC規制

PEPs

SDNリスト

STR(疑わしい取引の届出)

数字

あ行

あいまい検索

取引情報と制裁対象者リストを照合する際、完全に一致していない場合でも、該当の有無を判断するため、一定のルールのもとで類似性の高いものを抽出すること。
財務省外国為替検査ガイドラインにおいて、金融機関等が資産凍結等経済制裁対象預金口座の有無の確認のための照合を行うにあたっては、完全一致の場合のみを検索するのではなく、単語毎に検索するなど類似する預金口座名義を抽出したうえで、幅広い候補から順次絞り込みを行っていく等、適切な照合を行う必要があると定められている。
また、送金取扱金融機関等が資金凍結等経済制裁対象者との間の支払等規制に対応する際にも、あいまい検索による照合を行い、制裁対象者が関与していないことを確認する必要があると定められている。

(2019年9月4日現在)

アルシュサミット経済宣言

1989年フランス パリ郊外にある超高層ビル「グランダルシュ」を会場として開催された第15回先進国首脳会議での経済宣言を指す。
その中で、麻薬犯罪のマネー・ローンダリング対策に関する国際協調を目的に、FATF(Financial Action Task Force on Money Laundering:金融活動作業部会)の設置が採択された。これ以降、FATFを中心に国際的なマネー・ローンダリング対策が推進されることとなった。

(2020年2月3日現在)

安保理決議

国際連合安全保障理事会により採択された決議をいう。
安全保障理事会は、国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)に基づき、国際の平和と安全の維持・回復のために、紛争当事者等の関係者に対して必要な要請・勧告の決議を行うが、その効果が見られないときには、経済制裁などの非軍事的強制措置、さらには軍事的強制措置をとることを決議する。経済制裁措置は、人や貨物・技術の移動制限、資金・資産の凍結、資金の移動制限、金融取引の制限など多岐に渡るが、安全保障理事会は、事案ごとに措置の内容を選定し決議する。経済制裁措置が決議された場合は、加盟国はこれを履行する義務がある。経済制裁措置の実施細目の決定や効果の検証を行うため、安全保障理事会の下に個別の制裁委員会が設置されることがあり、ここで資産凍結等経済制裁対象者の指定などが行われる。

(2020年5月28日現在)

STR(疑わしい取引の届出)

Suspicious Transaction Reportの略。
FATF勧告20、27において、各国は、金融機関等に対して資金が犯罪収益またはテロ資金供与と関係していると疑うか、または疑うに足りる合理的な根拠を有する場合には、その情報を各国の資金情報機関(FIU)に速やかに届け出るよう法律によって義務付けるべきと明記されている。
我が国においては、1992年に麻薬特例法において麻薬犯罪収益に限定して疑わしい取引の届出義務がはじめて規定され、2000年の組織的犯罪処罰法により、対象犯罪の範囲が拡大された。さらに、2007年犯罪収益移転防止法の制定に伴い、届出対象事業者が、従来の金融機関等からファイナンスリース業者、クレジットカード業者、宅建建物取引業者、貴金属等取引業者、郵便物受取・電話受付サービス業者などに拡大され、今日に至っている。

(2019年12月18日現在)

役務取引

役務取引とは、労務または便役の提供を目的とする取引であるが、外為法上の規制の対象として、事前に財務大臣または経済産業大臣の許可を受けなければならないのは、以下の役務取引に限られる。

①国際的な平和・安全の維持を妨げることとなる特定の種類の貨物の設計・製造・使用に係る技術を特定国(外為令別表下欄の国)において提供することを目的とする取引等
②鉱産物の加工・貯蔵、核燃料物質の分離・再生又は放射性廃棄物の処理に係る取引
③日米宇宙開発協力に関する交換公文に基づき、我が国に移転された技術の非居住者への提供
④北朝鮮の核・弾道ミサイル・その他の大量破壊兵器関連の活動に寄与する目的で行う非居住者に対する金融サービスの提供

ロシアの特定の銀行による本邦における証券の発行・募集のために行われる非居住者に対する労務・便役の提供(ロシア連邦の特定銀行等による証券発行等の禁止措置のひとつ)

(2020722日現在)

(ご参考)外為令別表(右の欄をご参照ください。)

か行

IN(解釈ノート)

Interpretive Notes to the FATF Recommendations(「FATF勧告」の解釈ノート)の略。
FATF勧告自体は、40項目にわたる20ページの文書であるが、これに79ページの解釈ノートおよび15ページの用語集が付属している。FATF勧告の前文(Introduction)において、勧告、解釈ノートおよび用語集における用語の定義が一体となって、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策等に関するFATFの基準を構成していることが明記されている。

(2020年6月4日現在)

(ご参考)FATFホームページ

外国為替検査ガイドライン

財務省が外為法及び犯収法に基づく外国為替検査の検査項目を定め、2018年9月に発出したガイドライン。
FATF勧告6および7において、各国当局に対し、金融機関等へ向けた資産凍結措置に関するガイダンスの提供を求めていることを受け、金融機関等が主体的かつ積極的にリスクベース・アプローチを踏まえた外為法令等の遵守を促進できるよう、必要な体制整備に関する具体的な検査項目を詳述したガイドラインとして、それまでの外国為替検査マニュアルを発展的に改組する形で策定された。

(2019年9月4日現在)

外国為替検査ガイドライン

(ご参考)外国為替検査ガイドライン(財務省)

外国為替検査マニュアル

財務省が、外国為替検査に関し、検査評価基準の明確化、金融機関等における関係法令等遵守のための内部管理態勢の整備・促進等を目的として、検査事項・検査方法等に関する細目を定め、2003年1月に公表した国際局長の通達。
2018年9月に、現行の外国為替検査ガイドラインとして発展的に改組された。

(2019年9月4日現在)

外為法

正式な名称は、「外国為替及び外国貿易法」(昭和24年 法律第228号)。
外国為替や外国貿易などの対外取引の正常な発展と我が国や国際社会の平和・安全の維持などを目的に、対外取引に必要最小限の管理や調整を行うための法律。
以下の要件を満たす場合には、支払等や資本取引その他の取引について、事前に財務大臣または経済産業大臣の許可等を取得する義務を課することができる規定があり、これが我が国として国連安全保障理事会決議等に基づく経済制裁措置を実施するための法的根拠となっている。

  • ①国際約束の誠実な履行
  • ②国際平和のための国際的努力への寄与
  • ③我が国の平和・安全の維持のための対応措置を講ずる閣議決定

(2019年9月4日現在)

外為法に基づく制裁対象者リスト

外為法に基づく資産凍結等経済制裁措置の対象として指定された個人や団体のリスト。
具体的には、外務省の告示により制裁対象者の氏名・名称、住所・所在地、生年月日等の情報が特定される。このためMOFA(外務省)リストと通称されることがある。また、財務省ホームページにエクセル形式の一覧を掲載していることからMOF(財務省)リストといわれることもある。

(2020年5月12日現在)

EDD(厳格な顧客管理)

Enhanced Due Diligenceの略。
FATF勧告10の解釈ノートにおいて、リスクベース・アプローチに基づき、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与リスクが高いと判断した顧客に関しては、外国 PEPsや特定国等に係る顧客とあわせて、当該リスクに整合的かつ厳格な顧客管理措置をとるべきとの考え方が示されている。これを受け、金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」では、リスクが高いと判断した顧客については、以下を含む厳格な顧客管理(EDD)を実施すべきと定めている。
1. 資産・収入の状況、取引の目的、職業・地位、資金源等について、リスクに応じ追加的な情報を入手すること
2. 当該顧客との取引の実施等につき、上級管理職の承認を得ること
3. リスクに応じて、当該顧客が行う取引に係る閾値の厳格化等の取引モニタリングの強化や、定期的な顧客情報の調査頻度の増加等を図ること
4. 当該顧客と属性等が類似する他の顧客につき、リスク評価の厳格化等が必要でないか検討すること

(2019年12月4日現在)

公告国際テロリスト

国際テロリスト財産凍結法に基づき、財産の凍結等の措置をとるべき対象として国家公安委員会が公告した国際テロリストを公告国際テロリストという。同法の規定により、公告国際テロリストは、金銭等の規制対象財産の贈与や貸付を受けることなど、特定の行為をしようとするときは、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。また都道府県公安委員会は、公告国際テロリストに対しその者が所持している財産の一部の提出を命じ、これを仮領置することができることとなっている。さらに公告国際テロリストを相手方とする贈与や貸付等の行為も禁止する規定が設けられている。

(2020年6月4日現在)

(ご参考)警察庁ホームページ

KYC(顧客確認)

Know Your Customer の略。
CDD(Customer Due Diligence:顧客管理)とほぼ同義で口語的に使用されることもあるが、CDDの概念の中に含まれる銀行の本人確認手続等の意味で使用されることが多い。
バーゼル銀行監督委員会(※)は、2001年にFATF勧告のCDDに関する内容を踏まえた上で、銀行の健全性維持の観点から、銀行のKYCの手続きに関するガイダンス「Customer Due Diligence For Banks」を発表した。

(※)バーゼル銀行監督委員会:1974年にG10諸国の中央銀行総裁によって金融機関の監督における国際協力の推進を目的として設置された機関。スイスのバーゼルにあるBIS(国際決済銀行)に事務局が置かれている。

(2019年12月18日現在)

CDD(顧客管理)

Customer Due Diligenceの略。日本では顧客管理という用語を対応させている。
FATF勧告10は、金融機関が匿名の口座または架空口座を維持することを禁止し、金融機関がすべての顧客(受益者)について信頼できる情報に基づき身元確認を行い、取引目的や必要な場合には資金源等も含め継続的な顧客管理を行う必要があると規定している。
これを受け、我が国では金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」において、顧客管理を「リスク低減措置のうち、特に個々の顧客に着目し、自らが特定・評価したリスクを前提として、個々の顧客の情報や当該顧客が行う取引の内容等を調査し、調査の結果をリスク評価の結果と照らして、講ずべき低減措置を判断・実施する一連の流れ」と定義し、リスク低減措置の中核的な項目と位置付けている。

(2019年9月4日現在)

国際テロリスト財産凍結法

「国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法」(平成26年法律第124号)の略称。安保理決議第1267号および第1373号に基づき、国連から指定されたタリバーン関係者等やG7諸国から指定された国際テロリストに対し、外為法の規制が及ばない国内取引に関する資産凍結等の措置を定める法律。FATF第三次対日相互審査(2008年)において、当時の「FATF勧告」SRIII(テロリスト資産凍結。現行の勧告6)に関し、制度の不備を指摘されたことを受け、2014年に法整備が行われた。

(2020年6月4日現在)

(ご参考)警察庁ホームページ

国際テロリスト財産凍結法上の規制対象財産

テロリスト財産凍結法および同施行令に基づき、公告国際テロリストがテロ行為等に利用することを防止・抑制するために、贈与・貸付を受けることなどが規制される財産を指す。規制対象財産は、通貨や有価証券等の金融資産にとどまらず、自動車、船舶、土地、建物などにも及んでおり、外為法に基づく資産凍結措置に比べ広範囲なものが規制の対象となっている。

規制対象財産

具体例(いずれも価格が1万5千円を超えるものに限る)

1

金銭

本邦通貨と外国通貨

2

有価証券

国債証券、地方債証券、社債券、株券、投資信託の受益証

3

貴金属

金、白金、銀及びこれらの合金、
ダイヤモンドその他の貴石、半貴石及び真珠

4

土地

5

建物

土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有する物

6

自動車

自動車、二輪自動車

7

暗号資産

8

前払式支払手段

商品券・ギフト券、プリペイドカード等

9

手形

為替手形、約束手形

10

小切手

旅行小切手

11

船舶

総トン数20トン以上の船舶、小型船舶

12

航空機

人が乗ることができる飛行機及び回転翼航空機

(注)1~6:法第9条第1号で定められたもの、7~12:施行令第4条で定められたもの
 警察庁資料に基づきJCIFが作成

(2020年6月4日現在)

(ご参考)警察庁ホームページ

コルレス契約締結時の確認

犯罪収益移転防止法に基づき、業として為替取引を行う特定事業者は、外国所在為替取引業者との間で為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約(コルレス契約)を締結するに際しては、当該外国為替取引業者が取引時確認等に相当する措置を的確に行うために必要な体制を整備していることなどを確認するよう義務付けられている。これはFATF勧告13に対応する措置である。

(2019年9月4日現在)

さ行

資金移動業者

資金決済に関する法律に基づき、銀行等以外の事業者は、財務(支)局長に「資金移動業者」の登録を受けることにより、100万円に相当する額以下の資金決済業務を行うことができる。
資金移動業者は、銀行等と同様に犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認等を行う義務があり、金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策ガイドライン」に記載されている措置を的確に実施することが求められる。また、外国送金を取り扱う場合は、外為法に基づく適法性確認義務が課せられる。

(2019年9月4日現在)

資金使途規制

外為法に基づく経済制裁措置のひとつで、特定国の特定の活動に寄与する目的で行われる支払等に対する規制を指す。
現在発動されている資金使途規制は次のとおり。

  • 北朝鮮の核関連、弾道ミサイル関連またはその他の大量破壊兵器関連の計画・活動に貢献しうる活動に寄与する目的で行う支払等に対する規制(2009年7月~)
  • イランの核活動または核兵器運搬手段の開発に関連する活動に寄与する目的で行われる支払に対する規制(2016年1月~)
  • イランへの大型通常兵器等の供給に関連する活動に寄与する目的で行われる支払に対する規制(2016年1月~)

財務省外国為替検査ガイドラインでは、銀行や資金移動業者等、外国送金を取扱う業者は、外為法第17条に基づく確認義務を履行するため、被仕向銀行や送金目的その他の必要情報を把握することにより、その送金が資金使途規制に該当するか否かを判断する必要があると規定している。

(2019年9月4日現在)

資産凍結等経済制裁

経済制裁措置の一つで、制裁対象者の預金口座の凍結等により資産の処分や移動を禁止すること。
我が国では、外為法に基づき、制裁対象者の関連する支払等や預金取引などを財務大臣・経済産業大臣の許可を要するものとして指定することにより実行されている。
この用語は、「資産凍結措置をはじめとするあらゆる経済制裁措置」という意味で使用されることもある。

(2019年9月4日現在)

相互審査

FATF勧告に基づくマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を徹底するために、FATF参加国が相互に実施している勧告の履行状況等に関する審査。審査結果は、相互審査報告書にまとめられ、全体会合における審議、採択後に公表される。公表後、審査対象国は、不備事項に関する改善状況を報告するフォローアップ手続きに進むが、不備の度合により、監視対象国または重点フォローアップ国に指定され、通常より厳しいフォローアップを受ける場合がある。
我が国に対する相互審査は、過去1993年、1997年及び2008年の3度にわたり実施され、第4次相互審査は2019年10月にオンサイト審査が実施された。第4次相互審査からは、法令等の整備状況に関する審査に加え、マネー・ローンダリング対策等の有効性に関しても審査が行われる。

(2020年8月5日現在)

相互審査

組織的犯罪処罰法

「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(平成11年法律第136号)の略称。
FATF勧告の改訂により、マネー・ローンダリングの前提犯罪を薬物犯罪から重大犯罪全般に拡大すべきとされたことなどを受け、1999年に制定され、翌年施行された。
組織的な犯罪に対する刑罰の加重について定め、マネー・ローンダリング(犯罪収益等隠匿)行為の処罰、犯罪収益の没収・追徴および疑わしい取引の届出制度について、前提犯罪となる重大犯罪を具体的に列挙したうえで、これを適用する規定が設けられた。またFIU(金融情報機関)を金融監督庁(現金融庁)に設置する規定も設けられた。これらの規定のうち、疑わしい取引の届出制度及びFIUに関するものは2007年の犯罪収益移転防止法の制定により同法に引き継がれ、疑わしい取引の届出制度は届出義務が金融機関等以外の業者(DNFBPs)にも拡大され、FIUの機能は国家公安委員会(警察庁JAFIC)に移管され、今日に至っている。

(2020年7月22日現在)

(ご参考)JAFICホームページ

た行

仲介貿易取引

居住者と非居住者との間で行う外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、賃借または贈与に関する取引を指す。三国間貿易取引とも呼ばれている。たとえば、日本企業が海外の売り手と購入契約、別の国の海外の買い手と売却契約をそれぞれ結び、貨物は日本を通さず売り手から買い手に動く取引を行った場合、これに該当する。
現在、外為法に基づき、事前に経済産業大臣の許可を受けなければならない仲介貿易取引は以下のものに限られる。

①武器(輸出貿易管理令別表第1の1の貨物)の仲介貿易取引
②リスト規制、キャッチオール規制の対象貨物(輸出貿易管理令別表第1の2から16の貨物)であって核兵器の開発に用いられるおそれのあるもの等の仲介貿易取引。(輸出貿易管理令別表第3のいわゆるホワイト国を船積地域または仕向地とするものを除く。)
③北朝鮮を貨物の原産地・船積地域・仕向地とする仲介貿易取引

(2020年7月22日現在)

(ご参考)輸出貿易管理令別表

通知義務

犯罪収益移転防止法に基づき、業として為替取引を行う特定事業者が、外国へ向けた電信送金において、送金先の外国所在為替取引業者に、顧客の氏名、口座番号等の一定の事項を通知するよう定められた義務。FATF勧告16に対応する措置。

(2019年9月4日現在)

適法性確認義務

外為法第17条において、外国送金を取扱う金融機関等(資金移動業者を含む)には、顧客の送金が経済制裁等外為法上の特定の規制対象に該当するものでないか等を確認する義務があり、確認できない限りその送金を取扱ってはならないと定められている。
本人確認義務と区別するため、これを適法性確認義務という。
適法性確認義務に違反し、または違反する恐れがあると認められる金融機関等は財務大臣による是正措置命令や外国為替業務の停止・制限命令を受ける可能性がある。 適法性確認義務の具体的な履行方法等については、財務省の外国為替検査ガイドラインにおいて、留意すべき事項が整理されている。
外国との間のすべての送金等について、それを取扱う金融機関等によるチェックを義務付けているこの仕組みは、資産凍結等経済制裁措置の実効性を確保するうえで、きわめて重要な役割を果たしている。

(2019年9月4日現在)

特定国(地域)に関する支払規制

外為法に基づく経済制裁措置のひとつで、特定国または地域に居住・所在する個人・団体等に対する一定の支払を禁止する措置。
2016年に北朝鮮に対する経済制裁措置として発動された。
具体的には本邦から外国に向けた支払または居住者から非居住者に向けた支払であって、北朝鮮に住所等を有する個人や主たる事務所を有する法人等に対するものが、規制の対象となる。
ただし、国際電気通信役務に係る精算等や北朝鮮に滞在する居住者の滞在費は規制対象から除外されるほか、北朝鮮に居住する自然人に対する10万円以下の一定の人道的目的の支払も規制の対象外となっている。

(2019年9月4日現在)

特定事業者

犯罪収益移転防止法において、顧客と一定の取引を行う際、取引時確認や確認記録の作成・保存その他の義務が課されている事業者。
同法第2条第2項において、具体的に業種が特定・列挙されている。(2019年9月4日現在)
                                      

特定事業者

▶図をクリックすると拡大されます。

特定船舶の入港禁止措置

「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」(平成16年法律第125号)に基づき、特定船舶が本邦の港に入港することを禁止する措置。
「特定船舶」とは、
①閣議決定された特定の外国の国籍を有する船舶
②閣議決定された特定の外国の港に特定の日以後寄港した船舶
③閣議決定された特定の外国と特定の関係を有する船舶
(国連安全保障理事会決議第1718号12に従って設置された委員会により制裁対象船舶として指定された船舶を含む。)
を指す。

(2019年12月18日現在)

取引時確認

犯罪収益移転防止法に基づき、金融機関などの特定事業者が特定取引等に際して行わなければならない確認。
取引時の確認事項は以下のとおり。

  • 顧客の本人特定事項(個人:氏名・住居・生年月日/法人:名称・所在地)
  • 取引を行う目的
  • 職業/事業内容
  • 実質的支配者の本人特定事項(顧客が法人の場合)

また、なりすまし・偽りの疑いがある場合等のハイリスク取引については、取引時確認に係る事項をより厳格な方法で確認し、200万円を超える財産の移転を伴う場合には、司法書士等以外の特定事業者は、顧客の資産および収入の状況を確認することが義務づけられている。

(2019年9月4日現在)

な行

は行

ハイリスク取引

犯罪収益移転防止法上、厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引をいう。
具体的には、以下のいずれかに該当する取引をいう。

  • ①なりすましの疑いがある取引又は本人特定事項を偽っていた疑いがある顧客との取引
  • ②特定国等(北朝鮮およびイラン)に居住・所在している顧客との取引
  • ③外国PEPsおよびその家族を顧客とする取引、それらにより実質的な支配が可能な関係にある法人を顧客とする取引

ハイリスク取引に際して行う本人特定事項の確認は、通常の取引時確認の方法に加え、追加の本人確認書類又は補完書類の提示・送付を受ける必要がある。また200万円をこえる取引においては、資産及び収入の状況も確認する必要がある。

(2019年9月4日現在)

犯罪収益移転危険度調査書

犯罪収益移転防止法第3条第3項の規定に基づき、国家公安委員会が、取引の種別ごとに犯罪収益移転の危険度等を調査・分析した結果をまとめ、毎年公表している文書。
FATF勧告1において、各国に対し、自国のマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与リスクを特定・評価することが要請されていることに対応するもの。
特定事業者は、犯収法第11条に基づき、取引時確認等を的確に行うための措置のひとつとして、犯罪収益移転危険度調査書の内容を勘案し、自らが行う取引のリスクの調査・分析を行い、その結果を記載した書面等(いわゆるリスク評価書)を作成し、必要に応じた見直し・変更を行うなど一連の措置を講ずるように努めなければならないとされている。

(2019年9月4日現在)

(ご参考)各年の犯罪収益移転危険度調査書(JAFIC)

犯罪収益移転防止法(犯収法)

正式な名称は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(平成19年法律第22号)。「犯収法」と略されることもある。
犯罪収益の移転防止を図り、併せてテロ資金供与防止条約等の的確な実施を確保すること等を目的として、2007年3月に制定された。その後、数次にわたり改正されている。
銀行等の特定事業者 の義務として、顧客等の取引時確認、記録の作成保存、疑わしい取引の届出コルレス契約締結時の厳格な確認、外国為替取引に係る通知、取引時確認等を的確に行うための措置などを定める。

(2019年9月4日現在)

犯罪収益移転防止法

犯罪収益移転防止に関する年次報告書

犯罪収益の移転防止、併せてテロ資金供与防止条約等の的確な実施を目的として、警察庁犯罪収益移転防止対策室が作成し、毎年公表している報告書。犯罪収益の移転状況に関する調査・分析の一環として、マネー・ローンダリング(以下「マネロン」という。)対策等の主要な沿革、マネロン対策等に関する法制度、疑わしい取引の届出制度の運用状況、マネロン関連事犯の取締り、マネロン対策等を推進するための行政庁及び特定事業者の取組国際的な連携の推進などがまとめられている。


(2020年5月28日現在)

(ご参考)各年の年次報告書(JAFIC)

法人の実質的支配者

法人の事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にある者を指し、犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認義務において、顧客が法人である場合に確認すべき事項の一つ。
どのような者が該当するかについては、同法の施行規則において、法人の性質により以下のように規定されている。

法人の実質的支配者.jpg▶図をクリックすると拡大します。

(2020年2月3日現在)

本人確認書類

顧客の本人特定事項を確認する際に必要となる公的証明書のこと。犯罪収益移転防止法に基づき、特定事業者には取引時確認を行うことが義務付けられており、確認すべき事項の第一に顧客の本人特定事項が掲げられている。本人特定事項の確認方法は、同法の施行規則によって定められ、その際に使用すべき書類が本人確認書類として具体的に規定されている。

本人確認書類1.jpg

▶図をクリックすると拡大します。

(2020年2月3日現在)

貿易に関する支払規制

貨物の輸出入や仲介貿易取引に経済産業大臣の承認・許可を受ける義務が課されている場合に、取引に対する規制にとどまらず、当該取引に係る支払等についても禁止される「外為法」上(外為法第16条第5項)の仕組みのこと。現在貨物の輸出入については、北朝鮮を原産地または船積地域とする貨物の輸入にのみ適用がある。仲介貿易取引については、資本取引などと同様に、すべての取引がその対象となる。外為法に基づく金融機関等の「適法性確認義務」の履行に関しては、財務省の「外国為替検査ガイドライン」において「貿易に関する支払規制への対応」という項目の中で、輸入代金送金、信用状取引等および仲介貿易取引について、確認義務履行上の留意点が規定されている

(2020年5月28日現在)

ま行

マネー・ローンダリング

マネー・ローンダリング(Money Laundering:資金洗浄)には、様々な定義が可能であるが、組織的犯罪処罰法において、犯罪としてのマネー・ローンダリングを「犯罪収益等隠匿」として次のように規定している。

(1) 犯罪収益等の取得・処分につき、事実を仮装すること
(2) 犯罪収益等を隠匿すること
(3) 犯罪収益の発生の原因につき事実を仮装すること

ここで「犯罪収益等」とは、次のものを含むとされている。

① 犯罪収益
② 犯罪収益に由来する財産(犯罪収益の果実として得た財産、犯罪収益の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産、その他犯罪収益の保有又は処分に基づき得た財産を指す。)
③ ①②の財産とそれ以外の混和した財産

(2020年7月22日現在)

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン

金融庁が、マネー・ローンダリング(以下「マネロン」という。)等に係るリスク管理の基本的考え方を明らかにするものとして、2018年2月に公表したガイドライン。
本ガイドラインは、マネロン・テロ資金供与対策に関して、「対応が求められる事項」や、「対応が期待される事項」等を明確化し、金融機関等の実効的な態勢整備を促すとともに、わが国全体としての対策の向上に向けた業界団体の役割、官民連携、今後の当局のモニタリングのあり方等を規定している。
また、複雑化していくマネロン・テロ資金供与の手法・態様等に適切に対応するという観点から、金融機関等において、リスクベース・アプローチの実施が最低基準(ミニマム・スタンダード)として求められ、経営陣の主体的かつ積極的な関与・理解の下、実効的な管理態勢の構築を行う必要がある旨を明らかにしている。(2019年9月4日現在)

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン

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麻薬新条約

「麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約」の略称。
犯罪組織による国際的な麻薬・向精神薬等の不正取引を防止するため、薬物犯罪取締りや薬物犯罪収益の没収等に関する国際協力を推進する目的で、1988年に国連で採択(1990年に発効)された条約。
我が国は1989年に署名し、「麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律」および「麻薬特例法」の整備を行ったうえで、1992年に批准した。

(2020年7月22日現在)

麻薬特例法

「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成3年法律第94号)の略称。
麻薬新条約を批准するための法整備の一環として、1991年に制定され、薬物犯罪に係るマネー・ローンダリング(犯罪収益等隠匿)行為の処罰に関する規定、必要的没収・追徴に関する規定および疑わしい取引の届出に関する規定等が定められた。
我が国における疑わしい取引の届出に関する法的根拠は、麻薬特例法によってはじめて定められたが、その後前提犯罪を拡大し、組織的犯罪処罰法に引き継がれ、さらに届出義務者を金融機関等以外の業者(DNFBPs)に拡大して、犯罪収益移転防止法において一括して定められ、今日に至っている。

(2020年7月22日現在)

三つの防衛線

金融庁の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に関するガイドライン」の中で規定する、有効なマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与リスク管理態勢を構築する上で各部門が担う役割等を整理するための概念。それぞれが担う役割・責任を経営陣の責任のもとで明確化し、強固なガバナンス態勢を構築し、組織的に対応することを目的としている。

第1の防衛線とは、営業部門を指している。マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策において、顧客と接点のある営業部門が、方針や手続き等を正しく理解し、リスクに見合った低減措置を的確に実施することが求められる。

第2の防衛線とは、コンプライアンス部門やリスク管理部門等の管理部門を指している。これらの部門は、第1線の自律的なリスク管理に対して、独立した立場から牽制を行うと同時に、第1線を支援する役割も担っている。

第3の防衛線とは、内部監査部門を指している。内部監査部門には、第1の防衛線と第2の防衛線が適切に機能をしているか、更なる高度化の余地はないかなどについて、これらと独立した立場から、有効性等を定期的に検証することが求められている。

(2019年9月4日現在)

や行

ら行

リスクベース・アプローチ

金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」では(以下「マネー・ローンダリング」を「マネロン」という)、リスクベース・アプローチを「金融機関等が自らのマネロン・テロ資金供与リスクを特定・評価し、これを実効的に低減するため、当該リスクに見合った対策を講ずること」と定義している。
同ガイドラインは、マネロン・テロ資金供与の手法や態様の変化に応じ、金融機関等が不断に対策の高度化を図っていく必要があり、「リスクを自ら適切に特定・評価し、これに見合った態勢の構築・整備等を優先順位付けしつつ機動的に行っていくため、リスクベース・アプローチによる実効的な対応が求められる」としている。
FATF勧告においても、勧告1に「リスク評価とリスクベース・アプローチ」を掲げ、リスクベース・アプローチはマネロン・テロ資金供与対策を貫く基本原則として位置付けられている。

(2019年9月4日現在)

ロシア連邦の特定銀行等による証券発行等の禁止措置

2014年9月に外為法に基づき発動されたロシア連邦の特定銀行等に対する経済制裁措置。
我が国として、ウクライナをめぐる国際問題の解決に寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容に沿い、ロシア連邦の特定銀行等(※1)による証券の発行等について次の措置を実施した。
1.資本取引規制
ロシア連邦の特定銀行等による本邦における証券(※2)の発行または募集を許可制とする。
2.役務取引規制
ロシア連邦の特定銀行等が本邦において証券(※2)を発行し、または募集するために行われる労務または便益の提供を許可制とする。

※1外務省告示において指定された各団体及び当該各団体により株式の総数または、出資の総額に占める割合の50%以上を直接に所有されている団体(本邦内に主たる事務所を有する団体を除く。)

※2償還期限の定めのある証券については、当該償還期限が90日を超えるものに限られる。

(2019年12月18日現在)

(ご参考)財務省資料

わ行

アルファベット

AML/CFT

Anti-Money Laundering/ Countering the Financing of Terrorismの略で、マネー・ローンダリング(以下「マネロン」という。)及びテロ資金供与対策を意味する。
1989年に設立された当初のFATFの主要課題は、麻薬取引等による犯罪収益を対象としたマネロン対策であった。
しかし2001年9月の米国同時多発テロ事件の発生を受けて、テロリズム防止が国際的重要課題となり、テロ資金供与対策がFATFのマンデート加えられた。それ以来、マネロン対策とテロ資金供与対策は、実務上一体的なものとして、「AML/CFT」という語により一括して議論されるようになっている。

(2019年9月4日現在)

CDD(顧客管理)

Customer Due Diligenceの略。日本では顧客管理という用語を対応させている。
FATF勧告10は、金融機関が匿名の口座または架空口座を維持することを禁止し、金融機関がすべての顧客(受益者)について信頼できる情報に基づき身元確認を行い、取引目的や必要な場合には資金源等も含め継続的な顧客管理を行う必要があると規定している。
これを受け、我が国では金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」において、顧客管理を「リスク低減措置のうち、特に個々の顧客に着目し、自らが特定・評価したリスクを前提として、個々の顧客の情報や当該顧客が行う取引の内容等を調査し、調査の結果をリスク評価の結果と照らして、講ずべき低減措置を判断・実施する一連の流れ」と定義し、リスク低減措置の中核的な項目と位置付けている。

(2019年9月4日現在)

DNFBPs

Designated Non-Financial Businesses and Professionsの略。指定非金融業者および職業専門家を指す。
FATF勧告において、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策のための諸措置をとるべき義務を負うとされた業者で、金融機関以外のもの。具体的には以下のものが列挙されている。

a)カジノ
b)不動産業者
c)貴金属
d)宝石商
e)弁護士、公証人、他の独立法律専門家および会計士
f)トラスト・アンド・カンパニー、サービスプロバイダー

我が国では犯罪収益犯罪特定事業者として規定され、顧客と一定の取引を行う際、取引時確認や確認記録の作成・保存、その他の義務が課されている。(弁護士・弁護士法人については、日本弁護士連合会の会則に定めるところによる。)なお、2018年10月にFATF勧告の一部が改正され、暗号資産サービス業者についても、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の目的で規制されるべきとの考え方が明記された。我が国においても、暗号資産交換業者は、資金決済に関する法律に基づき登録制とされ、犯罪収益移転防止法の特定事業者としての義務が課されている。

(2020年5月18日現在)

EDD(厳格な顧客管理)

Enhanced Due Diligenceの略。
FATF勧告10の解釈ノートにおいて、リスクベース・アプローチに基づき、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与リスクが高いと判断した顧客に関しては、外国 PEPsや特定国等に係る顧客とあわせて、当該リスクに整合的かつ厳格な顧客管理措置をとるべきとの考え方が示されている。これを受け、金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」では、リスクが高いと判断した顧客については、以下を含む厳格な顧客管理(EDD)を実施すべきと定めている。
1. 資産・収入の状況、取引の目的、職業・地位、資金源等について、リスクに応じ追加的な情報を入手すること
2. 当該顧客との取引の実施等につき、上級管理職の承認を得ること
3. リスクに応じて、当該顧客が行う取引に係る閾値の厳格化等の取引モニタリングの強化や、定期的な顧客情報の調査頻度の増加等を図ること
4. 当該顧客と属性等が類似する他の顧客につき、リスク評価の厳格化等が必要でないか検討すること

(2019年12月4日現在)

FATF

Financial Action Task Force(金融活動作業部会)の略称。1989年のアルシュサミット経済宣言を受け、マネー・ローンダリング(以下「マネロン」という。)対策における国際協力を推進するために同年9月に設立された多国間の枠組み。
マネロン対策,テロ資金供与対策,大量破壊兵器の拡散に対する金融対策等の国際的な取組において中心的な役割を担っており、マネロン・テロ資金対策の国際基準(FATF勧告)を策定し、その履行状況について相互審査を行っている。
2019年6月現在、G7を含む37カ国・地域と2地域機関がFATFに加盟している。
また9のFATF型地域体(※)があり、これを加えるとFATF勧告は世界190以上の国・地域に適用されていることになる。
※FATF型地域体:アジア太平洋やカリブなど地域ごとに存在し、FATF加盟国と非加盟国が所属する地域的な枠組み。FATF勧告をベースに相互審査を実施し、技術協力のニーズ調査や情報共有等も行っている。

(2019年9月4日現在)

(ご参考)FATFホームページ

FATF勧告

FATFが策定する、マネー・ローンダリング対策・テロ資金供与対策および大量破壊兵器拡散に対する資金供与対策に関する国際的な基準。
各国が実施すべき措置の包括的かつ一貫した枠組みとなっており、すべての国に対して、自国の制度等をFATF勧告に適合したものとするよう要請している。
1990年にはじめて策定されたFATF勧告は、40の項目からなり、麻薬取引等による犯罪収益を対象とするマネー・ローンダリング対策に関するものであった。しかし、2001年9月の米国同時多発テロ事件を契機に、テロ資金供与対策がFATF のマンデートに加えられ、同年10月にテロ資金供与対策に関する8の特別勧告(後に1項目追加され、9の特別勧告)が策定された。
2012年に改正された現行のFATF勧告においては、改正前の40の勧告と9の特別勧告が統合され、新たな40の勧告として規定されている。またこの時から大量破壊兵器拡散に対する資金供与対策も、FATF勧告の対象範囲に加えられた。

(2019年9月4日現在)

FATF勧告

FinCEN

Financial Crimes Enforcement Network(米国財務省金融犯罪取締ネットワーク)の略称。
FinCENは米国におけるFIUとして位置づけられる機関であり、米国内の関係政府機関を統括して、国家のマネー・ローンダリング対策を推進し、金融犯罪情報の収集、分析、捜査当局への情報提供等を行っている。

(2019年9月4日現在)

(ご参考)FinCENホームページ

FIU

Financial Intelligence Unitsの略称。資金情報機関を指す。
FATF勧告29において、各国は、疑わしい取引の届出 やその他の資金洗浄等に関する情報を受理し分析すること、およびその分析結果を捜査当局等に提供することを目的とする国の中央機関として、FIUを設置すべきとされている。FIUは、届出機関から追加的な情報を入手し、また必要な金融情報、行政情報及び捜査情報を迅速に取得することが可能であるべきとされている。
我が国においては警察庁の犯罪収益移転防止対策室JAFICがFIUの役割を担っており、犯罪収益移転防止法が規定する業務等を遂行している。

(2019年12月4日現在)

(ご参考)JAFICホームページ

IN(解釈ノート)

Interpretive Notes to the FATF Recommendations(「FATF勧告」の解釈ノート)の略。
FATF勧告自体は、40項目にわたる20ページの文書であるが、これに79ページの解釈ノートおよび15ページの用語集が付属している。FATF勧告の前文(Introduction)において、勧告、解釈ノートおよび用語集における用語の定義が一体となって、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策等に関するFATFの基準を構成していることが明記されている。

(2020年6月4日現在)

(ご参考)FATFホームページ

IO

Immediate Outcomesの略。
FATF相互審査における有効性に関する具体的な審査項目(直接的効果)を指す。
FATFの第四次相互審査においては、法令等の整備状況に関する審査に加え、新たに、マネー・ローンダリング対策およびテロ資金・大量破壊兵器拡散資金の供与対策に関する有効性について審査が行われる。有効性の評価基準は、Hight-Level Objective, Intermediate Outcomes, Immediate Outcomes の三層にわたり規定され、実際の審査ではImmediate Outcomes(直接的効果)の11項目について、High level, Substantial Level, Moderate Level, Low Levelの4段階に評定される。このうちModerate LevelまたはLow Level の評価を受けた項目は不合格となる。11項目の中でも、IO4(金融機関およびDNFBPsにおける予防措置)は、業者の実際の取組みに関する審査項目であり、リスクについての理解、リスク軽減措置や記録保持の実施状況その他の具体的な課題について、個別の業者に対する審査団による直接のインタビューなどの実態調査を含む審査が行われる。
IO.jpg▶図をクリックすると拡大されます。
                                        (2019年12月4日現在)

JAFIC

Japan Financial Intelligence Centerの略称で警察庁の犯罪収益移転防止対策室を指す。 FATF勧告29において各国が設立すべきものとされているFIUに該当する機関で、犯罪収益移転防止法が規定する以下の業務等を遂行している。

  • 疑わしい取引に関する情報の集約・整理及び分析、捜査機関への提供
  • 外国に対する情報提供
  • 犯罪収益の移転状況に関する調査・分析、犯罪収益移転危険度調査書の作成による措置を確保するための情報の提供など

(2019年9月4日現在)

(ご参考)JAFICホームページ

KYC(顧客確認)

Know Your Customer の略。
CDD(Customer Due Diligence:顧客管理)とほぼ同義で口語的に使用されることもあるが、CDDの概念の中に含まれる銀行の本人確認手続等の意味で使用されることが多い。
バーゼル銀行監督委員会(※)は、2001年にFATF勧告のCDDに関する内容を踏まえた上で、銀行の健全性維持の観点から、銀行のKYCの手続きに関するガイダンス「Customer Due Diligence For Banks」を発表した。

(※)バーゼル銀行監督委員会:1974年にG10諸国の中央銀行総裁によって金融機関の監督における国際協力の推進を目的として設置された機関。スイスのバーゼルにあるBIS(国際決済銀行)に事務局が置かれている。

(2019年12月18日現在)

MOFAリスト/ MOFリスト

外為法に基づく、資産凍結等経済制裁措置の対象として指定された個人や団体のリストのこと。外務省の告示により指定されるため、MOFA(Ministry of Foreign Affairs)リスト財務省ホームページにエクセル形式のリストが公開されていることからMOF (Ministry of Finance)リストと呼ばれることがある。

                     (2020年6月4日現在)

(ご参考)MOFリスト(財務省)

OFAC規制

OFAC(Office of Foreign Assets Control:米国財務省外国資産管理室)が所管する米国の資産凍結等経済制裁措置を指す。
Foreign Assets Control Regulations(外国資産管理法)に基づき、米国の法人・個人に対し、米国の安全保障を脅かすものとして指定された国・法人・個人との取引を禁止し、これらの保有する米国内における資産の凍結を義務づけるもの。
域外適用の範囲が広く、我が国の法人・個人が行う取引であっても、米ドル建て海外送金はOFAC規制の対象となるほか、取引の関係者に、米国の法人・個人が含まれる場合も規制対象となるとされている。
我が国の金融機関等がこれに違反した場合、米国の当局により厳しい罰則・行政制裁が科せられる可能性がある。

(2019年9月4日現在)

(ご参考)SDNリスト

(ご参考)OFACホームページ

PEPs

Politically Exposed Personsの略。政府等における重要な公的地位にある(あった)者を指す。
FATF勧告12は、外国PEPsに該当する者およびその家族等との取引に関して、通常の顧客管理措置に加え、より厳格な継続的監視等の実施を要請し、そのため顧客または受益者がPEPsか否かを判断するための適切なリスク管理システムを整備すること等が求められるとしている。
また、国内PEPsおよび国際機関の主要な役職者に関しては、これらの者との業務関係でリスクが高い場合は、外国PEPsと同様の厳格な措置を適用すべきと規定している。
我が国では、犯罪収益移転防止法第4条第2項の規定に基づき、厳格な顧客管理を行う必要が特に高いと認められる取引として、外国PEPs、その家族との取引およびこれらの者により実質的に支配可能な関係にある法人との取引が定められている。

(2019年9月4日現在)

SDNリスト

Specially Designated Nationals and Blocked Persons Listの略称。OFAC(Office of Foreign Assets Control:米国財務省外国資産管理室)が定める経済制裁対象者リスト。制裁対象国の個人・団体等が指定されているほか、特定の制裁プログラムに関しては、国に関係なく、テロリスト・大量破壊兵器拡散・麻薬密売などに係る個人・団体等が指定されている。米国の国民・法人等は、SDNリストで指定された制裁対象者との取引が禁止され、制裁対象者の保有する米国内における資産の凍結が義務づけられている。我が国の居住者が米国外で行う取引であっても、米ドル建て海外送金は規制の対象となるほか、取引の関係者に米国の国民・法人等が含まれる場合も、規制対象となるとされている。また、輸出入の直接の当事者がSDNリストに該当しない場合であっても、信用状や船荷証券等に記載された銀行、船会社、航空会社、船舶、航空機、港湾関係者などの取引関係先がSDNリストの対象である場合には、米国OFAC規制に抵触することとなるため、注意が必要である。米国に拠点を有する我が国の金融機関等がこれに違反した場合、米国の当局により厳しい罰則・行政制裁が科せられる可能性がある。

なお、OFACが指定する経済制裁対象者のリストとしては、SDNリスト以外に以下のものがある。

・SSI(Sectoral Sanctions Identifications)リスト: 対ロシア制裁において金融、エネルギーなどの特定の産業セクター向けの融資等を禁止するためのリスト
・FSE(Foreign Sanctions Evaders)リスト: イラン、シリア制裁において、制裁違反や制裁回避を行う外国の個人・団体を制裁するためのリスト
・NS-ISA(Non-SDN Iranian Sanctions Act)リスト: 対イラン制裁において、資産凍結以外の制裁措置の対象を指定するリスト
・13599(Executive Order 13559)リスト: 大統領令13599号に基づき資産凍結の対象となるイランの政府機関および金融機関を指定するリスト
・CAPTA(Correspondent Account or Payable-Through Account Sanctions)リスト: コルレス勘定の開設・維持禁止措置の対象となる外国銀行を指定するリスト
・NS-PLC(Non-SDN Palestinian Legislative Council)リスト: 国際テロリストに対する制裁において、資産凍結以外の制裁措置の対象となるパレスチナ立法評議会関係者を指定するリスト

                                        (2019年12月4日現在)

(ご参考)OFAC SDNリスト

STR(疑わしい取引の届出)

Suspicious Transaction Reportの略。
FATF勧告20、27において、各国は、金融機関等に対して資金が犯罪収益またはテロ資金供与と関係していると疑うか、または疑うに足りる合理的な根拠を有する場合には、その情報を各国の資金情報機関(FIU)に速やかに届け出るよう法律によって義務付けるべきと明記されている。
我が国においては、1992年に麻薬特例法において麻薬犯罪収益に限定して疑わしい取引の届出義務がはじめて規定され、2000年の組織的犯罪処罰法により、対象犯罪の範囲が拡大された。さらに、2007年犯罪収益移転防止法の制定に伴い、届出対象事業者が、従来の金融機関等からファイナンスリース業者、クレジットカード業者、宅建建物取引業者、貴金属等取引業者、郵便物受取・電話受付サービス業者などに拡大され、今日に至っている。

(2019年12月18日現在)

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