中国は78年12月の改革開放政策の実施以降長期に亘り高い経済成長を遂げる中、先富論に適応できた富裕層及び中産階級とそれ以外の低所得層との所得格差が拡大した。最近では習近平国家主席が共同富裕に言及する回数は急増している。中国はこうした所得格差拡大への対応のほか、高齢化の進展に伴う社会保障関係費用の増加や少子化に伴う生産年齢人口の減少・社会保障への現役世代負担増という課題にも直面している。22年10月開催の党大会で習国家主席が3期目入りとなり長期政権はほぼ確実だが課題解決への政策運営は一層厳しいものとなる見通しである。