世界経済は国・地域によるばらつきを伴いつつ回復ペースが減速している。グローバルにインフレの鈍化傾向がみられる中、先進国では、欧州と米国で利上げ停止から利下げの時期を探る局面に向かうと予想されるが、当面は金利が高めの水準にとどまることを主因として景気の減速が続くほか、日本もコロナ禍後の経済活動の正常化の一巡などから成長ペースが鈍化するとみられる。新興国・途上国では、欧米経済の減速や中国経済の回復力の弱さを映じた輸出の減速が景気の重石となっているが、内需を中心に緩やかな回復が続いている。ただし一部ではインフレの加速に伴う更なる金融引締め、原油生産量の低下、自然災害の影響などから回復ペースが大きく低下している。

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