現在中国では不動産開発企業の巨額な債務、政府債務の増大や中小金融機関の脆弱な財政基盤などの課題が山積している。習近平政権は23年10月の中央金融工作会議で党主導による金融監督管理体制の強化によって「金融強国」の構築を加速させることを打ち出したが、経済の安定成長の維持が困難化するなかで「金融強国」の構築を加速させることは極めて難しい課題である。したがって習政権は今後金融リスクに関する課題解決に向け漸進的に政策を実施するとみられるが、困難な課題が山積するだけに抜本的な対応を迫られる可能性にも留意する必要があるものと思われる。