中央銀行デジタル通貨（CBDC）のうちブロックチェーンを使ったホールセールCBDC（W-CBDC ）に関して興味深い新たな試みに注目が集まっている。その一つがニューヨーク連邦準備銀行（以下、ニューヨーク連銀）による概念実証である。ニューヨーク連銀は商業銀行間の民間デジタル通貨による送金をW-CBDCを活用して橋渡しするRLN構想と呼ばれるデジタルプラットフォームを22年11月に立ち上げて概念実証を行った。
従来W-CBDCは商業銀行間送金のRTGS や国債と資金の同時決済での活用が主に想定されていた。今回のRLN構想は、将来的には異なるブロックチェーンを利用する商業銀行間の民間デジタル通貨による送金等を橋渡しすることを目指すW-CBDCの新たな活用提案として世界で注目を集めている。