中国の国際収支統計をみると、23年第1～第3四半期の貿易黒字は4,544億ドルと前年同期比－10.4％減小した。輸出は2兆3,364億ドルと前年同期比で－7.1％の減少、輸入は1兆8,820億ドルと前年同期比で－6.3％の減少となった。直接投資収支は対内直接投資（負債）が中国による対外直接投資（資産）を下回り1,267億ドルの流出超に転じた。なお23年第3四半期の対内直接投資は投資の引き上げが新規投資を上回り98年の統計開始以来初めてマイナス（流出超）となった。
輸出入や対内直接投資の減少には欧米諸国を中心とした「デリスキング」の動きの影響も窺われる。欧米諸国の対中貿易規制が強化される中で中国側も貿易規制で対抗しており、今後もサプライチェーンの分断が進行していくと考えられる。